葵むらさき小説ブログ

大人のためのお伽噺を書いています。作品倉庫: https://www.amazon.co.jp/%E8%91%B5-%E3%82%80%E3%82%89%E3%81%95%E3%81%8D/e/B004LV0ABI/ref=aufs_dp_fta_dsk

2022-12-01から1ヶ月間の記事一覧

DV幽霊 第14話(全20話)

次回の“セッション”の予約を取り付けた後、熱田氏は帰っていった。 一人残された部屋で、私は自分の内部に緊張が高まりゆくのをひしひしと感じた。 足は、今夜も出るのか。 それとも、お札によって封印され、姿を現さないのか。 私はテレビをつけた。 バラエ…

#DV幽霊 第13話(全20話)

「ここはまるで」 熱田氏は言葉を切り、もういちど私の部屋の中を見回した。 「何かの結界を張られたように、清浄だわ」 第13話(全20話) 12月24日UP #小説 #ホラー

DV幽霊 第12話(全20話)

「あの、セルライトビームでしたっけ」 「熱田スペシウムよ」 熱田氏は私を見ずに答えた。私はハッと硬直し、私もまた熱田氏を見ることができなかった。 第12話(全20話) 12月17日UP #小説 #ホラー

DV幽霊 第11話(全20話)

翌朝、洗面所の鏡を覗くと、やはり私の顔は無傷のままだった。 一体、どういうしくみなのだろう。 私の中に、ある意味“興味”と呼べるものさえ生まれた。 間違いなく痛いのに、間違いなく触感はあるのに、間違いなく蹴転がされているのに、どうしてその痕跡は…

DV幽霊 第10話(全20話)

翌朝目覚めてからも、首筋や後頭部、そして顔面全体に、痛みが残っていた。 私が意識を失った後も、足は私を踏みつけ続けていたのだろうか。 さぞや顔面痣だらけになっている事だろう―― そう思いつつ覗いた洗面所の鏡の中の私の顔には、傷一つなかった。 い…