葵むらさき小説ブログ

大人のためのお伽噺を書いています。作品倉庫: https://www.amazon.co.jp/%E8%91%B5-%E3%82%80%E3%82%89%E3%81%95%E3%81%8D/e/B004LV0ABI/ref=aufs_dp_fta_dsk

2023-01-01から1年間の記事一覧

DV幽霊 第20話(了)

「終わりましたよー」 熱田氏の声で、私は目を開けた。 のろのろと起き上がると、最初に、玉の汗を浮かべて今にも気絶しそうに茫然としている森下氏の顔が目に入った。 そんなに、体力を使ったのか。 私には意外に思われた。 経を唱えたり、あきみの兄貴に語…

DV幽霊 第19話(全20話)

微塵も、身動きできなかった。 天井しか、見ることができない。 そして、その時俺の脳内にある言葉はただ一つ 「殺してくれ」 だった。 第17話 UP #小説 #ホラー

DV幽霊 第18話(全20話)

私は衝動的に、自分の周囲を見回した。 右を。 左を。 後ろを。 その姿は、どこにも見えなかった。 だが私には、その存在が、目の前の熱田氏や森下氏よりはるかに鮮明に、感じ取られていた。 第17話 1月21日UP #小説 #ホラー

DV幽霊 第17話(全20話)

熱田氏は人によって、照射する光線の種類を変えているのか? そうだとしたら、不公平じゃないか。 俺にはあんなにけったくそ悪い思いさせた癖に、なんでこの女には気持ちいい光線を当ててんだよ。 第17話(全20話) UP #小説 #ホラー

DV幽霊 第16話(全20話)

「あるいは」熱田氏はもう一度私の顔を見ながら超ピンク色の唇で言った。「その女の人がこの人を蹴ったのかしら」 「──」 ごつごつして太い筋の盛り上がった足の姿が浮かぶ。 第16話(全20話) UP #小説 #ホラー

DV幽霊 第15話(全20話)

ごめんなさい。 子供のように心の中で泣き叫んだ。 疑ったりしてごめんなさい。 はい、確かに出てます、熱田スペシウム。 私が悪かったです。 第15話(全20話) 1月7日UP #小説 #ホラー